認知症について
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「認知症」とは、正常であった脳の知的な働きが、後天的ないろいろな病気によって、持続的に低下した状態のことです。特に、お年寄りにおきた認知症を老人性認知症と呼び、私達にとって身近な問題であり、今後増加していくことが予想されています。
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認知症には様々な原因がありますが、特に多いのが脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。
その2つとその混合型(2つを合併している型)をあわせると、認知症全体の8割〜9割を占めると考えられています。
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脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血が原因で脳組織が壊れたり、血流障害のために十分な酸素や栄養分が行き渡らないなどの理由で、認知症となるもの。 |
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アルツハイマー型認知症:脳の細胞が変性したり消失することにより、脳が萎縮してしまい認知症となるもの。 |
<脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の違い>
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脳血管性認知症 |
アルツハイマー型認知症 |
認知症の自覚 |
初期にはある |
ないことが多い |
進み方 |
良くなったり悪くなったりしながら階段状に進む |
ゆっくり単調に進む |
神経症状の有無 |
手足が部分的に麻痺したりしびれたりすることが多い |
初期には少ない |
身体の持病との
関係 |
高血圧、糖尿病などの持病を持つことが多い |
持病との関係は少ない |
特徴的傾向 |
ささいなことで泣いたり怒ったりなど精神的に不安定になることが多い |
落ちつきがなかったり深刻味がないことが多い |
認知症の性質 |
まだら認知症(部分的に能力が低下している) |
全般
性認知症(全般的に能力が低下している) |
人柄 |
ある程度保たれる |
変わることが多い |
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脳血管性認知症では、高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病、過度の飲酒、喫煙などが危険因子としてあげられていますので、これらを除くことが認知症の予防につながります。
一方、アルツハイマー型認知症では、原因が解明されていないため、特定の危険因子を除くことは困難ですが、常にいろいろな事に関心を持ち、活発な社会生活をこころがけることが認知症の予防につながると思われます。
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認知症の原因や状態によっては、適切な診断・治療によって、症状の改善するものもあります。認知症の初期には症状が目立たないこともありますが、いつもと様子が違う時には早めに専門医に診察を受けることをお勧めします。
できるだけ早期に発見し、適切な対応をすることが、お年寄りの状態の安定と、家族の負担軽減をもたらすと思われます。
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