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Japan Statin Treatment Against Recurrent Stroke の略で、
2002年、わが国初の日本人に適した「脳卒中の再発予防」のための治療法の
確立を目指して発足した専門チームです。


 近年、日本人の食事や生活スタイルが欧米化し、高齢社会を迎え、家族の誰かが、脳卒中で亡くなられたり、脳卒中の後遺症で困ったりする方が増えています。また、痴呆の患者さんを支える家族の介護問題も深刻です。これまでわが国では欧米のデータをもとに治療にあたっていましたが、日本人と欧米人とでは体格や食生活なども異なっています。
 そこで、「私達日本人に最も適した治療で脳卒中の再発を防ぎたい」という思いで発足したのがJ-STARSです。そして今や日本人の3大死因のひとつになった脳卒中という深刻な病気から国民をまもることが私達J-STARSの使命であると考えています。


 急速な人口構造の高齢化とともに激増することが予測されている脳卒中患者の、発症・再発の予防法や治療法の確立・普及を図ることは、本邦のみならず、脳血管障害の発症率が高い東アジア諸国や高齢化の進行する欧米諸国にとってもきわめて重要な課題です。その意味でも脳卒中診療に関わる5学会の協力により作成された「脳卒中治療ガイドライン2004」の発表は画期的なことと言えます。しかしながら、このガイドライン作成に際しても、国際的に通 用するエビデンスレベルの高い臨床試験の実施、発表の件数が欧米諸国に大きく立ち後れている事実が痛感されました。筆者はPROGRESS試験への参加を通 じて、エビデンスレベルの高い臨床試験の重要性を実感してきましたが、本邦はもちろんのこと、世界の脳卒中診療の向上にも貢献するエビデンスの確立は、容易ではないものの本邦の脳卒中診療の担い手に科せられた崇高な責務ではないかと考えています。

 「脳血管疾患の再発に対する高脂血症治療薬のHMG-CoA阻害剤の予防効果に関する研究」と題した、虚血性脳卒中に対するHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の予防効果 を検討する多施設共同無作為化比較試験は、厚生労働科学研究補助金を受けて平成14年度より準備が開始されました。平成16年3月より全国から参加応諾を頂いた施設のうち倫理委員会の承認を得た施設から症例登録を開始しております。

  脳卒中領域におけるスタチンのPleiotropic Effectsの有効性を検討することは未確立のきわめて重要な課題であり、多くの熱意あふれる共同研究者の参画により、世界に発信できるエビデンスを確立すべく厳密なプロトコルに基づき研究を進めております。脳卒中という憎むべき疾病との闘いに賛同し、本臨床試験に参加頂いている多くの患者さん、忙しい日常業務をこなしながらご協力頂いている共同研究者の各位 にこの場を借りて心よりの謝意を表するとともに、今後のなお一層のご協力をお願い申し上げます。

広島大学大学院病態探究医科学講座
脳神経内科学教授
松本 昌泰

 
【お問い合わせ先】
J-STARS中央事務局

所属場所: 広島大学大学院脳神経内科学
〒734-8551 広島市南区霞1−2−3
TEL: 082-257-5201 FAX: 082-505-0490
受付時間: 月〜金 9:00-17:00

「脳血管疾患の再発に対する高脂血症治療薬HMG-CoA
還元酵素阻害薬の予防効果に関する研究」
広島大学大学院 脳神経内科学
任研究者:松本昌泰